こんにちは、平助君!

□第弐話
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「あー、その平助?」

今、俺の前にはひたすらに困り顔の近藤さんが居る。
そして、


「初めまして近藤さん!」


俺の横には華の様な笑顔で近藤さんに笑いかける例の女の子が。
自分を見つめてただ微笑んでいる女の子に近藤さんは戸惑いを隠しきれない。

「これは、どういうことなんだ?」
「…ごめん、近藤さん」

俺にも分かんねーや。








あれからこいつはお菓子を食い漁りながら近藤さん近藤さんと喚くものだから最初は拒否していた筈がついに根負けした。
…妬いてなんかない、決して妬いてなんか!

「お会い出来て光栄です!」
「あ、ありがとう…?」

笑顔で近藤さんの手を取り上下に振るこいつは凄く嬉しそうだった。
…だから妬いてなんかねぇっつーの!

「へ、平助…?」

若干涙目になりながら俺に助けを求める近藤さん。
いや、だから俺にも分かんねーんだって。
でもまあそれで終わらせると本気で近藤さんが泣いてしまう(気がする)ので取り敢えず経緯だけでも説明しようとした所、

「おい近藤さん、新撰組に侵入者だってよ」

鬼の副長と名高い土方さんが入って来ちまいましたのでございまするよ!?

「大丈夫ですか?口調が大変なことになってますけど」
「ぜぜぜぜーんぜん大丈夫!大丈夫だから!」

慌てて女の子を背中に隠す。
だって、きっと、いや、たぶん、絶対。

侵入者ってこいつの事だし!!!

「…平助、大変聞きにくいんだがお前の後ろに居る奴はなんだ?」

早速ばれた!!(当たり前)
ここはなんとかして上手い嘘を突き通さねば!
…いや、ほら、第一印象って大事じゃん?
決して良い所を見せたいとかそんなのでは全く無くて。
あー、それよりも嘘!なんか上手い嘘なんか上手い嘘…!!

「なんだって聞いてるだろう平助」
「うさぎ!」
「嘘吐け!!」

まずい、土方さんの目が凄く怪しい光をともし始めた!
流石にうさぎは苦しかっただろうか。
なんかすっごく疑われてる!主に俺の背中が!!

「平助」
「お………」
「なんだ?」

多分、俺は相当焦っていたんじゃないかと思う。


「俺の、許嫁…」



 
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