連載

□無重力少年
5ページ/14ページ

 
 
「さて、どうしたモノか…」


凜太郎は悩み続けていた。夜が明け、尚も浮かび続けている自分自身。後2時間もすれば母が自分を起こしに部屋を訪れるだろう。この浮遊のオカゲで完全に寝不足だ。凜太郎は深くため息を吐いた。


「(母さんが見たら倒れるだろうなー)」


脳天気と言うか何と言うか。主観的ではなく客観的にこの状況を理解しようとしている自分に少し嫌悪する。この性格でどれだけ苦労したことか、と昔を思い出すが今はさんな暇はない。今は打破しなければならない状況なのだ。


「…お?」


打破しようとしたその瞬間、凜太郎の体は布団と密着していた。何が起きたのか全く解らない。深まる謎に首を傾げるしか出来ない彼は、枕に顔を埋める。時計を見ると後1時間45分程で7時になる。それでも良いと凜太郎は瞼を閉じた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ