自分の物語

□無償の愛
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船の甲板に出ると少し冷たい海風がロゼの髪を揺らした 
暖かい日差しに反対の冷たい海風がロゼは面白いと思った

甲板のはじではカノンノとコレットとソフィが朝食の残りのパンをカモメにちぎってあげている 

「かわいいなぁ……」 

目線を三人から海に向ける
ずっと続く海 
水平線 
その先の大地
世界樹 

「全てが私の守りたい世界」 

「無償の愛ですねぇ」

ロゼが振り向くとそこにジェイドがいた 

「無償の愛って?」

「貴女の発言ですよ。ディセンダーとはいえ他人の為に利益なしで働くでしょう」

ジェイドの言葉にロゼは考える 

(確かに、世界を守ると言っても私は人と変わらないし、利益なしで働くのは変なのか……)

「でも、守りたい。皆がいる世界を」

ロゼの言葉にジェイドはわかっていたように微笑み 
「貴女はそうだと思っていましたが、それが無償の愛ですよ」
と言ってたまたま甲板に来たリフィルを見付けちょっかいをかけに行ってしまった


「母親みたい」

「え?」

カノンノがいつのまにかロゼ隣にいた 

「ごめん。さっきの話し聞こえてたの。だから、ロゼって皆の母親みたい」

カノンノの笑顔の言葉に 
「何で」とロゼが問うと

「母親は何にもないけど子供を愛すでしょ」

それを聞き、なるほどと思った 

ジェイドとリフィルを見るとリフィルが顔を赤くして怒った素振り、ジェイドは優しく笑っている 

(娘を取られた母親の気持ち?いやそれを言うなら父親か)

とロゼは微笑み、二人に幸せになって欲しいなぁと思い
また、海を見た 
向こうには世界樹が見えた 



ディセンダーは無償の愛


『でも、私は世界樹から生まれたから母親じゃ無くない?』

『えっ、そっか。じゃあ、家族か』

『皆家族かぁ。えへへ』

『嬉しそうだね』

『うん!』
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