ひろいんちゃんは昔、スクラップ置き場で博士に拾われました。
科学的に発展し過ぎたこの世界では、人間とロボットの存在意義とその両立が求められていました。
しかしその一方で人本来の愛や人間性が薄くなり、結果ひろいんちゃんのような子が多くうまれてしまいました。
何かと面倒な子供より手のかからないロボットを選ぶ、無責任な大人が増えてしまったのです。
誰もが皆昔は子供だったというのに。
国のこの理想追求は体裁を保つ為だけでした。
ロボットが優れているからこその悲しい現実でもあります。
(捨て子とはこれいかに、所詮人間はこうなのだ。)
博士は同情ではない純粋な気持ちで育ててやろう、とひろいんちゃんを家に連れて帰ります。
ワイリーシティはX軸とY軸方向に部屋が延びた不思議な形をしています。
交わる点Oがメインルーム、いわゆる心臓部です。
こうして拾われたひろいんちゃんは、博士とその愉快なナンバーズと広い広いワイリーシティで暮らしはじめるのでした。