バカテス

□図書室デスティニー
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全ては偶然にすぎなかった
翔子から逃げるために隠れ場所として図書室を選んだことも、そこにアイツがいたことも


―根本恭二―俺等が知ってるアイツはカンニングしたり人の弱味を握ったりするような卑怯な奴だったが、やはり腐ってもBクラスなのか課題と思われるプリントを1人真面目にやっていた

「(指細いな。てか色白)」

根本が座ってる席にはちょうど外から夕日があたっていて、その透き通るような白さを強調していた。
今までの自分では考えられないことだったが、その病的なまでの白さや男のものとは思えないほど白く長い指に目を奪われていた。
いつまで見つめていたのだろう。ふと顔を上げた根本と目が合った。反射的に目を反らしそうになるが、何となく負けた気になるので、そのまま見つめていた
ところが少しすると音までは聞こえないが、溜め息をはくような動作をし目を反らした
それでもじっと見ていると荷物を鞄に仕舞い、本と鞄を持ってこちらに向かってくる

「邪魔だ。退け」

どんな嫌みを言われるのかと身構えていたが、意外と呆気なく拍子抜けしてしまった
俺が退くと持っていた分厚い本を棚に戻しはじめる
少し高い位置に本を戻すときに腕を伸ばす形になり、シャツの袖から腕が覗く

「(やっぱ細いよな)」

暫くボーッとしていたが、根本が図書室を出ていくのでついていった

「(ついてってどうすんだ)……帰ろ」

取り合えず教室に戻ることにした



――その気持ちに気づくまであと………
 

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