短き夢幻

□たまには全て忘れて
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「何故貴様が此処に居るのだ…!





















高杉ぃ!!」

玄関先に立って居たのは煙管を吹かした片目の男。
高杉晋助だ。
今日も相変わらず人の悪い笑みを浮かべ、喉の奥でくつくつ笑う。
「ククク…随分と歓迎されたもんだなァ?俺だってこんな所なんかかに用はねぇよ。だがな、こんなモンが鬼兵隊に届いてな。」
高杉がひらりと懐から出したのは手紙だった。

拝啓 低杉晋助様

なんやかんやで季節が(以下略)
さて今回この様なお手紙をだしたのは、低杉君に頼みがあるからです。
実は今回(以下略)
ではではその日までお元気で 低杉君

敬具 坂本辰馬

P.S.毎朝牛乳飲まないと大きくなれませんよ?
P.S.のP.S.この『P.S.』って(以下略)


「………おい、ほんとコイツ何がしたいの?ねぇマジ俺泣くよ?何でテロリスト二人を家に招き入れないといけねぇんだよ…」

精神的に疲れて来た銀時である。
「それより良いのかオメェらァ、次会った時ゃぁ全力でぶった斬るんだろ?」
挑発的に笑うと、意外とあっさりした答えが返って来た。
「そうしたいのは山々だがな、生憎今愛用の刀を鍛治に出していてな。」
「つーか人様ンちでドンパチやらかすなよ。誰が困ると思ってんだよ。」
「ククク…そーかい」
まるで小馬鹿にしたように笑い、高杉はまた煙管を吹かした。

ヴイィィィィィィィン…
ドンガラガッシャアァァァァン
ゴゴゴゴゴオォォォォ
背後からとてつもない騒音が響いた。
「ぎゃあぁぁぁぁぁ!!」
「うおぉぉぉぉぉぉ!!」
「あうぅ?」
それと同時に、新八・神楽・定春が飛んできた。
「あははははぁ!すまんすまん、勢い余って突っ込んでしもうたきに!」
どこまでも緊張感に欠ける、変わらない笑い声が響いた後、その笑い声の主の脳天に5人分の踵落としがお見舞いされた。
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