頂き物

□奏様から
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午前2時は早朝になるのでしょうか。



今日は朝から雨が降っている。
「よって銀時、かくまってくれ」
「何がどうなってよってという言語が口から出てきたんだてめェコルァ」

桂の顔面目がけて、銀時の強烈な飛び蹴りが炸裂した。
後方にかなりの距離を吹っ飛んで行った桂。
両方の鼻の穴から赤い液体をしたたらせ、どうにかこうにか起き上がる。

「てめェコルァじゃない、桂だ。文法的には問題ないだろう」
「文法的にはなくてもてめェの思考に問題がありまくるわ!何朝から人ん家押しかけてんだよ!
つかもはや朝じゃねェし!今何時だと思ってんだァァァァ!!!」

銀時は桂の目にぐりぐりと時計を押し付けた。
角膜に傷が!とかなんとか叫びつつ、その文字盤を読み取る。

「2時だ。朝の」

ぴきぴきと音を立て、銀時の額に青筋が浮かんだ。

「うん、朝じゃないよねソレ。表現は間違っちゃいねーが、大衆の認識としては午前2時って真夜中だから。
いい子はぐっすりおねむの時間だから。実際神楽寝てるから」
「真夜中じゃない、早朝だ!太陽はすでに日の出に向かって準備を始める時刻だ!
さぁ、清々しく寝覚めの挨拶をしようではないか銀時!
そしてついでに夜食の蕎麦を作ってくれたら、小太郎喜んじゃう」
「夜食って言っちゃってるねもう」
「しまったァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」

トルネードスピンをしながら、桂は派手な音を立てて壁にめり込んだ。
ダメージが大きすぎて立ち上がれない……くっ!な風を装いながら、銀時に向かって血塗れた手を伸ばす。

「ぐふ……っ、俺ももはやこれまでか……!銀時、お前は、何としてでも生き延びて、俺の、夢の続、き、を……追っ……がくっ」

その場に崩れ落ちる桂と、それを足蹴にする銀時。

「ヅラの瞳が、再び開くことはなかった。
よっしゃ、世界がまた一歩平和に近づいた。寝よ」
「ヅラじゃない、桂だァァァァァァァ!!!!」

桂の魂の叫びと同時に、押し入れの襖が爆発した。
そこから飛び出してきたのは、
「いたいけな乙女の安眠妨害してんじゃねェコルァァァァァァァァァァァァァ!!!!」
「「ぐふぁっ」」

人間とは比にならないほど重く強烈な、神楽の蹴りだった。
右頬に、重い衝撃が走る。
二人の体は宙を舞い、仲良く並んで壁にめり込んだ。





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