短き夢幻

□たまには全て忘れて
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紅桜の一件が落ち着き、志村家と言う名の獄門島から解放されて2週間経ったある日の事だった。

ピンポーン
「はーい」
万事屋のインターホンが鳴り響き、新八がそれに応答した。
「どちら様…あぁ桂さん」
そこに居たのは髪が短くなった桂だ。
流石に2週間では髪に大した変化は見られない。
「やぁ新八君。あぁこれ、リーダー達と分けてくれ。」
そういうと桂は徐に右手に持っていた紙袋を新八に渡す。
「ありがとうございます。あ、どうぞ」
招き入れられるがままに、桂は万事屋に入っていった。


「………で、何で辰馬から手紙が届いて、俺の所に来るわけ?」
やる気のない目でコンプレックスの塊と言っても過言ではない銀髪を掻き毟。
「知らぬ。だが現にこう書いておるのだ。」

拝啓 ヅラ小太郎様

なんやかんやで季節が移ろい行く中、如何お過ごしでしょうか?
僕は相変わらず星を見ながら元気にやっております
さて今回この様なお手紙をだしたのは、ヅラ君に頼みがあるからです
実は今回、ヅラ君達にどうしても渡したいものがあります。
〇月×日万事屋金ちゃんに居ておいて下さい。
ではではその日までお元気で ヅラ君

敬具 坂本辰馬

P.S.ヅラばかり被ってると頭が被れますよ?
P.S.のP.S.この『P.S.』って使いたくなるよね(笑)


「またこの下りかよ。馬鹿だろ。あいつ馬鹿だろ。てか何でよりによって万事屋(ウチ)なワケ?」
「全くだ。」

ピンポーン

本日二度目のチャイム
「はいはーい」
これに出たのもやはり新八だ。
ガラガラと音が響く。
そして数秒した後、ドタドタドタドタと足音が聞こえた。
「ぎ、ぎぎぎぎ銀さんんんんん!!」
明らかな動揺と怯えた顔に、流石に銀時や桂も何事かと思い玄関に向かった。
そして固まる事になる


「なっ…!」
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