短き夢幻

□人形
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「銀ちゃん銀ちゃん!見て見てこれ!」
「んぁ?」
夕方、つい先程新八は仕事を終え自宅に戻った。
そして定春と遊びに行っていた神楽が帰って来て見せたものは………

「…こおぉぉぉぉ…!!!!!!」

少し(かなり)怖いお人形さんだった。
銀時は硬直状態である。
「どうしたアルかそんな声出して。」
純粋無垢でいたいけな少女が胸に抱えている人形。
しかし、しかしそれはかなりミスマッチな組み合わせであった。
土や埃で汚れた紅い着物。
華の髪飾りが付いてるがそれは役目を果たせていない。
ボサボサな髪からちらほら見え隠れする小くて真っ白な顔。
これはあれだな、絶っっ対スタンド的な何かが憑いている!
「ゴミ置きに捨てられてて何だか可哀想だったアル…だからここに連れて来たネ!もうこれでこの子寂しくないでしょ?」
何いぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!?
神楽の無垢な言葉に銀さんのHPが5減った。
「ちちちちちちちょっと待ってよ神楽ちゃん!そそそ、そんなのばっちいから!ほほほ、ほらアレ、ききき、金蝿とか集ったりしてたかもだし、すすす捨てて来なさい!」
ギロッ
アレ?何か睨まれた?
今人形に睨まれなかった?俺
「何か調子乗ってすいませんでしたあぁ!!」
「何やってるアルか銀ちゃん一人で…」

噛んだり土下座したりしている大人に少々…いやかなり軽蔑の目を向ける神楽。
実際、人形は銀時を睨んでなんていないのだ。
ただ極度の怖がりの銀時がビビり過ぎていただけで。
「兎に角この子を綺麗にするネ!銀ちゃん、この子の髪の毛整えてあげるヨロシ」
おぅっまぃっがあぁぁぁ!!
銀時のHPが10減った。
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