貰い物
□存在理由
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完璧じゃなきゃ、いけなかった…。
僕は完璧じゃなきゃ、みんなから必要とされない。
母さんも父さんも、僕に思い出を少ししか残してはくれなかった。
アツヤと、「がんばろう」って約束したその直後、僕はすべてを失ってしまった。
どうして?僕はなにか悪いことをしたのかな。
それからずっと、僕はアツヤと一緒だった。
まるで小さな子供のように、愛に飢えていた僕を、アツヤという存在が救ってくれた。
ただ それからは、僕の存在がなくなっていく気がして。
僕は吹雪士郎だ。
なのに、まわりが求めてくるのは、絶対的な力を持つアツヤ。
僕はアツヤじゃない。
僕は吹雪士郎だ。
僕はアツヤじゃない。
僕は…吹雪士郎だ。
「ボールを取ったら、すぐオレに渡せ。」
「見ろよ、あのがっかりした顔。当然だな、せっかくのチャンスだったのに。」
「まだそんな馬鹿げたこと考えてるのか?お前には、無理なんだよ。」
「お前が、消えればいいんだよ。」
僕は…吹雪、士郎?
それとも…吹雪、アツヤ…?
士郎なの?
それとも、アツヤなの?
「吹雪」は、
ドッチナノ?
「フォワードとしてのお前も、もう、必要ない。」
じゃあ…僕は……。