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□【願い】
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「大佐。」
「ん?」
「ありがとうございます。」
アスランに穏やかに微笑まれ、ネオは少し照れながら頷いた。
「坊主が元気にならないと、他の奴等がうるさいからな。早く元気になれよ。だからもう寝ろ。」
「はい。おやすみなさい。」
「ほい、おやすみ。」
アスランは目を閉じ、しばらくすると寝息が聞こえてきた。ネオはアスランの寝顔を見ながら、先ほどのアスランの言葉を思い出していた。
『俺の事、気持ち悪いと思いますか?』
(思えなかったさ。むしろ・・・)
弱々しい潤んだ翡翠の瞳に掠れた声。そんな表情を見て感じることなんて・・・
「色気を感じる、ですか?それとも欲情する?」
「うわぁっ!?」
突如聞こえた声に、ネオは幽霊を見たかのように後ろを振り返り後ずさった。
「思うのは結構ですけど、アスランに手を出したら許しませんよ、ムウさん?」
「ぼ、坊主・・・」
坊主は坊主でも、こちらはネオの言うところの茶髪の坊主ことキラである。キラは一見微笑んでいるように見えるが、背後に何かどす黒いオーラを漂わせている。
「て、手を出すわけないだろう?ははは。」
(何故、心の声が・・・!?)
キラの態度に内心びくびくしながらも何故かそれを懐かしく感じるネオであった。