REBORN!小説

□【Giorno felice】
1ページ/9ページ

それは、いつもの見廻りを終えた時だった。








雲雀恭弥のもとに、1通の手紙が届いた。封筒には、『果たし状』と書かれている。中を読むと、日時と場所の指定以外は何も記されていなかった。

「今時、果たし状…ね。」

応接室の椅子に座りながら、読み終えた手紙を机に置き、雲雀は不敵に笑った。少しの間、その場を動かなかった雲雀だが、立ち上がり、ドアのほうへ歩いていく。

「…アレ、処分しておいて。」

「分かりました。」

ドアの前にいた草壁が頷くのを確認し、そのまま部屋を出ていってしまった。それを見送った草壁は、机のほうへ歩いていき、手紙を手に取り溜め息を吐いた。

「…委員長に果たし状など、一体どこの馬鹿だ?しかもよりにもよって、この日とは…」

そう呟きながら、その手紙を廃棄すべく、草壁も部屋を出ていった。






その手紙には、こう記されていた。
















――5日正午、並盛中学屋上にて待つ――














【Giorno felice】
















そして当日。
雲雀恭弥は、並盛中学の屋上にいた。時刻はとっくに正午を過ぎている。だが、雲雀以外の人間が来る気配はない。

「…僕を待たせるなんて、いい度胸してるね。」

そう呟いたところで、手紙の主は来ないので、苛立ちが募るばかりだ。こうなったら、草食動物を咬み殺しにでも行くかと、雲雀がドアに手をかけた時だった。














「ずいぶんとイラついてますね、雲雀恭弥。」


.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ