【Una persona insostituibile】

□第2話
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日本行きの飛行機に乗りながら、ディーノは苛立ちを隠せず、ただ黙っていた。それをロマーリオ含む部下達は、声をかけることも出来ず、見守るしかなかった。
それを分かってはいるが、今の自身には部下を気遣ってやる余裕がない。
ただ、今は別の事で頭がいっぱいだった。脳裏に浮かぶのは、たった1人の少年だけ。ディーノは、その少年を思い浮かべながら、ぎゅっと握り拳を作った。




















――何があったんだよ、恭弥…!――











【Una persona insostituibile(2)】













日本に到着後、すぐに並盛中学へ直行したディーノは、校舎内を駆け抜けていく。部下はロマーリオだけを連れている。今日は休日のためか、校舎内に生徒があまりいないため、騒ぎになることはなかった。ディーノは、鼓動が速くなるのを感じながら、迷うことなく目的の場所へ走り続ける。



向かう先は応接室。

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