その他

□体温上昇なう。
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日吉くんはとってもクールでかっこよくって、でも可愛くてツンデレで俺の天使なんだよね。笑った顔も怒った顔も普段の仏頂面も全部綺麗でホントに…





「意味がわかんねー事ぼそぼそ言うな。気持ち悪い」





ホントにサイコー。





『へへへっ、俺日吉くんのちょっと冷たいとこも大好きだよ』



だってだって日吉くんたらマジで俺の天使なんだよ。
こうやって冷たいときもあるけど俺が今みたいに風邪ひいて熱出したら学校休んで付きっきりで看病してくれるし。文句言いながらもなんでもやってくれるし…。
ね! 天使でしょ!





「…病人はおとなしく寝ろ」



冷たい手が自分の肩を優しく押す。熱で体の自由が利かないせいなのか押された体はそのままベットに沈んでいった。
普段何故かあまり俺に触れようとしない日吉くんからこうやって触られること(いや、ただ肩を押されただけだけど)はあんま無く、自分にとっては熱になったことが英語のテストで赤点を回避することより嬉しい。俺馬鹿じゃなくてよかった…、だって馬鹿は風邪ひかないんでしょ。




「切原そのにやけ顔をどうにかしろ」

『熱で顔の筋肉がうまく動かないからムリデス』

「嘘つけ。ホントにキモいからどうにかしろ」




あははは日吉くんひでーなー
なんてケラケラ笑いながら言って、でもそんなところも好きぃーとさらに付け足すと、いよいよ溜め息をつかれた。
だって事実だし好きなもんは好きだからしょうがないじゃん。今体が自由に動けるのならこのベットを使って日吉くんを押し倒してるよ。いっぱいいっぱい愛しちゃってるよ。今も愛してるけど。愛してやまないよ。愛…アイス食べたい。……やばい、頭が回らなくなってきた。



『あー…熱上がったかも。日吉くん体温計となんか冷たいもん、下のリビングにあるから3秒で取って来て』

「ずっと喋ってるからだろ。てか3秒って…」

『だって1秒でも日吉くんが側を離れることが辛いんだもん』





ぷうっと頬を膨らませると、可愛くないと言ってタオルを投げられた。
ちょっとマジで頭痛いから…。




『日吉くーん。頼むってば』

「3秒は無理だ」

『そこんとこも頼むわ。3秒以上は日吉不足で死ぬ』

「…じゃあどうしろと?」


『んー日吉くんが今すぐ俺を治してくれればいいんじゃね…なんちゃって』





勿論冗談。これは殴られる覚悟の冗談ですよ。あ、別に俺ドMとかいう訳じゃないから!
だけど拳は飛んでこず、霞む目の前は日吉くんの顔。





「わかった。今下げればいいんだな」


『え? それってどーゆう…』





言葉を遮るように日吉くんが俺の額に自分額をあててニヤリとしながら言った。






「お前の熱、俺にくれよ」






日吉くんにも熱があるんじゃね。
めっちゃ嬉しいけど心臓に悪いよ。


でも静かに落とされた唇は冷たかった。






<体温上昇なう>



おれ、今熱50度くらいになってそう。

おいそれ死んでるぞ。




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