立海

□pagliaccio
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俺は君が好きなのかな?
自分でもよくわからない。



「なんだか仁王と一緒にいると落ち着く」

『…そうか』

「ははっもっとなんか反応しろよ!」



自分の心がわからない。

それは自分がまだ若いからわからない?
馬鹿だからわからない?
詐欺師(嘘つき)だからわからない…?


そういえば嘘をつきすぎた羊飼いは誰にも信じてもらえず狼に食べられるという話があったな。
俺もいつか誰にも信じてもらえず食べられてしまうのかもしれない。
食べられるんだったら嘘なんかつかなければよかったなんて話はいまさら遅いことだ。
きっと羊飼いにとって嘘はコミュニケーションだったのかもな。
同じ嘘つき同士なんとなくわかる。



「噂で聞いたんだけど仁王は好きな奴いるんだろぃ。どんな奴なんだ」

『さあのぅ』

「…まあ言いたくないなら別にいいけど」

『…』



いくら自分に嘘をついても、君の心に触れると感じる胸の温かさは偽ることはできない。
だから君にだけ少し素直になれるんだ。



『いることにはいる』

「え?」

『まあヒントぐらいは教えてもええかの』

「ま…マジで!!?教えて教えて!」










『目の前にいる赤毛の豚』



「…は?」




不器用な羊飼いの愛の言葉は嘘?本当?


<pagliaccio>




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タイトルはイタリア語で嘘つき、詐欺師、ほら吹き…だそうです。

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