立海

□できること
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※バトテニ
※死ねた








ごめんね、ごめんね



守れなくてごめんね








なにもできない俺だけど、



出来るかぎりのことをするよ









「っに…お…」





バンッと銃声が二回。

ブン太の胸と腹を打ち抜く。






『ブン太?痛い?』



「かっ…は……にお…におっ」



『ブン太…好き、愛してるよ』





ドサッとブン太が地面に倒れる。


苦しまないように殺すつもりだったが、どうやらブン太はまだ息があるらしく手を俺に伸ばしてくる。
なにも言わずにそっと手をとるとブン太は静かに笑った。





『ブン太、何人殺した?』

「誰…も……殺して…ない」


『そっか、よかった』





俺はそっとブン太を抱きしめた。
体はとても冷たく、いつものブン太じゃない気がしたが抱きしめ返してくれるその弱々しい腕は確かにブン太のもの。

背中を摩るとブン太は泣いた。
その涙は温かかった。





「にお…に…会えて…よか…た」


『なに言ってるんじゃ。会えるに決まってるやろ、ブン太は俺が殺すんだから』


「そ…だよな」



『ブン太を殺すのもブン太が殺す人間も全部俺。だってブン太の全ては俺のものやから。
ブン太が誰にも殺されてないし殺してなくてよかった』


「におっ…」


『ブン太、疲れたじゃろ?…眠りんしゃい』





そう言って強く抱きしめるとブン太はもう一度涙を流し、瞼を閉じた。





『さようなら、丸井ブン太』





彼の体を木の下に横たわらせ、俺は当ても無く歩く。




俺は生きなければいけない。


今まで殺した奴やこれから殺す奴…そして愛するブン太のために。
この戦いが終わったら俺はブン太のことしか考えず、ブン太を想いながら死ぬ。
人生の全てをブン太に捧げる。



それが俺にできることだから。









<できること>








『…っ…ぅっ…



ごめん、ごめんなブン太
来世で…来世で必ず会おうな。絶対、二人で幸せになろうな』










彼が…頷いた気がした。



END
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