立海

□それはもう叶っていることかもしれない
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※七夕ネタ
※元拍手文








『はあ…っはあ』





俺は今現在進行形で走っている




只今、午前0時
昼と違いどこか肌寒さを感じるこの時間、恋人の雅治からメールがきた



内容は"〇〇川にいる"とだけ

つまり来いと





俺は急だったため特に上着も羽織らず走って向かっていた

その川と俺の家の距離は短いからいいものの風邪をひかないか自分の事ながら少し心配になる






「ブン太」


『まさっ…』




名前を呼ばれ振り向くと、雅治は川の側で座っていた


隣に来いとでもいうように片手で手招きされおとなしく座るといきなり抱きしめられる




『お前、なにもかもいきなりすぎ』


「すまん…急にブン太に会いとうなった」


『ばーか…まあ俺も会いたかったけどな』




強く抱きしめてくる雅治に対抗し、俺はゆっくり雅治の背中に手を回す

そうしたら雅治はもっと力強く抱きしめてきて少し痛かった





「そーいえば今日は七夕やったのぅ
なにか星に願い事でもしようか」





俺から離れ空に向かって手を合わせて目を閉じる仁王

俺もそれにつられて手を合わせて願い事を心の中で呟いた




「…ブン太なに願った?」


『…今年も雅治と一緒にいられますように』


「それは俺が叶えなる願い事やの」


『そういう雅治は?』


「ブン太が永遠に俺のものになりますように」


『なんだそりゃ…ってかもうなってるだろぃ』




くくっと笑ってやると一本とられたというような雅治の顔

それがおもしろくて笑っていると雅治も笑った




『まさはる』


「ん?」


『…好き』


「ん…知っとうよ

俺も愛してるきに」











<それはもう叶っているかもしれない>


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