立海
□dipendente
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※丸→仁
※暗
今日も機嫌が悪いのかあいつは俺の首を絞める。
苦しくて辛いけど、
何故かこの感覚が心地良いからなにも言わない。
…こう思い始めたのはいつ頃からだっけ。
<dipendente>
酸素を取り込めなくて目の前が霞んできたころ、仁王はやっと手を離してくれた。
『ゲホッ…ハアッ…ハア…』
「どうしよう丸井。
またカノジョにフラれてもうた」
そう言って何も着てない俺の腹を蹴る仁王。
悲しいとか辛いとか思ってる顔ではないが、大抵こういうときの仁王はいつもより機嫌が悪い。
今日もおとなしくしてよう…というよりおとなしくしてるしかない。
「なんでなんじゃ…
なにが悪い…
なにがダメなんや?」
『あぐぁっ!!ゲホッ…ゥッ』
痛い…痛いイタイいたい。
仁王が苦しんでる…。
殴られようが骨を折られようが仁王が苦しむ方が辛くて痛い。
俺はどうすればいい?
「苦し…どうすればいいんじゃ丸井…」
それは俺が聞きたい。
どうすれば仁王は笑ってくれる?
どうすれば仁王は俺を見てくれる?
どうすれば…
「丸井…」
そっと俺の頬に手を添えられた。
仁王の手はもともと冷たい。
だが冷え切った俺の身体ではなにも感じられなかった。
『…っまた…一から…頑張ろう…ぜぃ』
「…そうやの
また新しいのを作ればええか…いつもありがとう丸井」
そう言って仁王はいつもどうり笑った。
どうすれば…
アナタハオレノナマエヲヨブノ?
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タイトルはイタリア語で頼る、依存するという意味だそうです。