For you
□『相思相愛無我夢中』((鬼畜さまリク
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あの人はミーを拒絶した。
それは、初めての挨拶の時・・・
『はじめましてー、フランといいますー』
「っ!!」
「・・・?」
「っつーワケで、コイツが新しい霧の幹部、フランだぁ」
「新しい・・・幹部?」
「あ゛ぁ」
「ヤダ」
「センパイ?」
「認めない」
「ベル」
「イヤだ。マーモンは帰ってくるし」
「っ・・・いい加減大人になれぇ!!」
「うっせぇカス鮫!王子は認めねーから!」
「ベルッ!!」
「・・・」
そのままセンパイは出て行った。
何かから逃げるように、走って行った。
これでもミーは幻術士。
人の心を見破る仕事、
これぐらいは分かった。
あの人の求める人は居ないんだ。
「センパイ」
「・・・なんだよ」
「まだ引きずってるとかですかー?・・・っあ・・・」
「っ・・・!!」
あ・・・やってしまった。
師匠もそういえば言っていた。
『オマエは詰めが甘い』とかなんとか。
ホントにそうだ。
「すみませんー、間違えましたー・・」
「・・・引きずってる?何ソレ」
「・・・え?」
思わず疑問符を語尾に付けてしまった。
「何を?オレの好きな人は今出掛けてんの。待ってんだよ、帰ってくんの。」
「・・・」
「帰ってくるんだ。いつも通り。だから、霧の新しい幹部は要らないって言ったワケ。分かる?」
「センパイ・・・」
「別にアイツが帰ってくるまでは居候してもいいけどさ、帰ってきたら・・・帰れ。すぐに」
「!」
拒絶
その言葉が一番似合う状況
ミーが始めて好きになった人は
会った瞬間にミーを拒絶した。
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