For you

□『相思相愛無我夢中』((鬼畜さまリク
2ページ/5ページ


あの人はミーを拒絶した。
それは、初めての挨拶の時・・・


『はじめましてー、フランといいますー』

「っ!!」

「・・・?」

「っつーワケで、コイツが新しい霧の幹部、フランだぁ」

「新しい・・・幹部?」

「あ゛ぁ」

「ヤダ」

「センパイ?」

「認めない」

「ベル」

「イヤだ。マーモンは帰ってくるし」

「っ・・・いい加減大人になれぇ!!」

「うっせぇカス鮫!王子は認めねーから!」

「ベルッ!!」

「・・・」



そのままセンパイは出て行った。
何かから逃げるように、走って行った。

これでもミーは幻術士。
人の心を見破る仕事、
これぐらいは分かった。

あの人の求める人は居ないんだ。



「センパイ」

「・・・なんだよ」

「まだ引きずってるとかですかー?・・・っあ・・・」

「っ・・・!!」


あ・・・やってしまった。
師匠もそういえば言っていた。
『オマエは詰めが甘い』とかなんとか。

ホントにそうだ。


「すみませんー、間違えましたー・・」

「・・・引きずってる?何ソレ」

「・・・え?」


思わず疑問符を語尾に付けてしまった。


「何を?オレの好きな人は今出掛けてんの。待ってんだよ、帰ってくんの。」

「・・・」

「帰ってくるんだ。いつも通り。だから、霧の新しい幹部は要らないって言ったワケ。分かる?」

「センパイ・・・」

「別にアイツが帰ってくるまでは居候してもいいけどさ、帰ってきたら・・・帰れ。すぐに」

「!」


拒絶

その言葉が一番似合う状況



ミーが始めて好きになった人は

会った瞬間にミーを拒絶した。






next...
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ