ShortStory

□喧嘩腰の告白
1ページ/1ページ



栄純の機嫌が悪い。







部活以外の事で話し掛けると完璧無視。





部活の事でも最低限の会話のみ。












俺、なんかしたっけ?
















「えーいじゅ〜ん、なぁなんで怒ってんだよ。」




「怒ってない。」




「いやいや、その返事の時点で怒ってるでしょ。」




「っち、うるさい!」






おいおい今舌打ちしたよ、こいつ。

あ、逃げた。






やっべーなマジで怒ってるよ。
でもホントわかんねー





今週は校内でいきなり抱きしめたり、キスしたりしてねーよな?





んー、あ、もしかして一昨日の朝、目覚めのキスを倉持の前でしたからか?






いや、違うな、栄純の機嫌が悪いのは昨日の夜からだ。





「ああーマジわかんねー」






ガシガシと頭を掻いてみるがわかるはずもない。






そろそろ栄純禁断症状がでそうになってきた。(1日に3回はキスしないと発症するらしい)





だいたいやっとの事で付き合い始めたってのに、一向に進展しない。(させてもらえないとも言う。)




かと言って無理矢理やって泣かせたい訳じゃない。





でもさ?ここまで我慢してる上に2日もスキンシップなしはいい加減ツライ。(誰か俺の忍耐力を誉めて欲しい。)







しょうがねぇ、背に腹はかえられない。





「…今夜、強行突破だな。」
















「っにすんだ!!離せ!!」





「ダメ。こうでもしないと栄純逃げるから。」





今、俺は床に栄純を組み敷いている。
ちなみにここは5号室。
(増子さんは純さんとこ。倉持は新作ソフト買ってやる代わりに今日は部屋を交換してもらった。)




「さーて栄純、なんで俺のこと避けまくりなのか話して貰おうか?」



わざとにっこり笑って言ってやれば目に見えて怯えている。




「だ、から!、避けてねぇ!!」





「ふーん?」





必死に言い訳しているが、目が泳ぎまくってる。




もう一押しか?





「……―栄純。正直に言わねぇと………―…」





「な、なんだよ…?」





「今すぐ、ここで、……喰っちまうぞ?」






「っ!!!!/////」





ことさら低く、一語一語区切って耳元で囁いたら一瞬で全身を朱に染める栄純。




ぱくぱくと何度か声を発そうと繰り返し、やっとの事で絞り出すかの様な声を出した。






「はな、すから、どけよっ///」




真っ赤な栄純を見下ろすこの体制はかなり惜しいけれど、話は聞きたい。



俺は渋々栄純の上から体をどかした。




拘束から逃れた栄純は俺の前にちょこんと正座する。





「で?なんで怒ってたわけ?」




「う、……それは、その、」




「……。」




「……っき、昨日の昼!!」




昼?何かあったっけ?




「……女の子に告白、されてたっ」



ああ、んな事があったかも。





「…って、見てたのか?」




「………移動教室の帰りに見えた。………あんたがニヤけてんの」




「はぁ?別にニヤけてなんかなかったけど。」




「…ニヤけてたし。相手の女の子真っ赤だったし……」




それだけ言うと栄純はふいっとそっぽを向く。



………これって、もしかしなくてもあれだよな…?




「なぁそれって、ヤキモチ?」




緩む頬が抑えられない。




恐らく今の俺はかなりだらし無い顔をしているだろう。




でも嬉しいんだから仕方ない。






緩みきった顔のまま栄純をこちらに向かせようと手を伸ばしたら、栄純がいきなり俺の方を向いた。





「っヤキモチ、妬いちゃ悪いかよっ!!////」




「は、」




「だって、あんな女より俺の方が!!…絶対っあんたのこと好きだもん!!!///」




「っ!!」



こいつ、自分の言ってる事わかってんのかっ!?



こんなの飢えた狼の前に子羊放り出してるようなもんだぞ!!?



いや、鴨がネギと鍋持って歩いてるような……




いやいやいやいや落ち着け、俺。



「!?」





予想だにしなかった栄純の言葉に軽くパニックしていた俺の視界がぐらりと揺れて背中に鈍痛。



そして腹部に重さが……




「栄純!?」




なんでだ!?俺、栄純に押し倒されてる!!?




「……………俺の気持ち証明する///」




「っあーもうっ可愛すぎんだよっ//」





真っ赤になって俺の服の裾を握る栄純に理性がとんだ。




体を反転させて逆に床に押し付ける。




「それは、そういう事でいいんだよな?」






最後の最後。ぎりぎり絞り出した理性で栄純に問う。





「っ……////」





これ以上ないくらい紅い顔に、緊張からか潤んだ瞳。





だけど栄純は俺をしっかり見つめて小さく、本当に小さく頷いた。






それを確認して俺は栄純の唇にそっと自分のそれを重ねた。







○喧嘩腰の告白
(俺の心を撃ち抜いた)


thanks!→モノクロ メルヘン


end...?



すいませんっ力尽きたんで続きは後日upしますっm(__)m


お題はモノクロ メルヘンさんの
「ツンデレ受けの誘い方5題」 からお借りしました!!

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ