拍手連載
□君と喋った
1ページ/1ページ
退屈な授業。
やっぱり俺は勉強なんてガラじゃないと、小さく心の中で呟く。
だけど、正直なところちょっとこの席は緊張して、授業どころじゃない。
それは、隣に座る大好きなアイツの所為。
俺の心臓は四六時中煩い。
意識すると尚更。
これって重症だよな、って事は重々自覚してる。
授業中、本当はよくないけど話し掛けたいって気持ちが募る。
けど、どうしても緊張して声が出ない。
それに近すぎてまともに顔なんて見れねぇ。
でもやっぱり声が聞きたくて。
他愛のない話しとかしてみたくて。
俺は精一杯の勇気を振り絞って話し掛けてみた。
何て事ない"授業つまんねぇーな"って一言。
そしたらあの優しい笑顔で答えてくれた。
『そうだね』
つまんねぇーとか言ったけど、やっぱ嘘。
その笑顔が見れたからつまんねぇー訳ねぇ。
ていうか喋れたって事実が幸せ過ぎる。
『君と喋った』
(授業はつまんねぇーけど)
(時間が止まればいいのにって思った)