まったりする
□100点
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「すごいよ!見てみて!!!」
100と大きくかかれた用紙を見せる。
帯「良かったですね!」
おめでとうございます、と
微笑む帯人。
「最近調子が良いんだ♪」
と笑顔のマスター。
「作文も褒められたし、文化祭の作品コンテストも皆私に投票してくれたの!今でも信じられないよ」
本当に嬉しそうなマスターをニコニコと見守っていた。
「でね、嬉しかったから投票用紙,くすねて来ちゃった」
帯「く、くすねたんですか!!!!?」
「だって感想の欄に
何て書いてあるか
知りたかったんだもんw」
帯「え、そ、それは、良くないですよ!」
「いいじゃん、たまには」
帯人は真面目なんだから
と丸めこんだ。
帯「分かりました。じゃ俺が読みます!」
紙をもらうと
さっそく読み上げた。
「えーと…力強い絵で,色調が素晴らしかったです」
「ぅわぁ,嬉しいなぁ」
帯「…はは,力強いなんてマスターらしいですね」
帯「色彩が素晴らしかったです…」
「どんどん読んで!」
ご機嫌なマスターが言う。
さらに3枚程読んだところから、段々遅くなってきた。
帯「えーと色彩が…豊かで…力強くて…几帳面な人だと思いました」
「几帳面って褒め言葉?;」
帯「勿論ですよ!!!次、」
帯「…えっと書いた人はドーナツが好きだと思いました…」
「はぁ;」
変な感想。確かにドーナツ好きだけど…
帯人は更に減速。
帯「書いた…人は…ゴミが落ちていると
拾ってゴミ箱に入れる人だと思います…」
「ゴミって;これ動物の絵なのに…」
帯「…;」
帯「力強い絵で,色調が
素晴らしかったです;」
「それさっきも聞いたよ」
なんかおかしい。
貸して!と紙を取り上げた。
帯「あっ」
「力強い絵で,色調が素晴らしかったです」
また同じ感想だ。
「次、力強い絵で,色調が素晴らしかったです…?またまた同じ?」
なんだこれ。
トランプのように広げてみると、
全部同じ感想だった。
帯「…はは…」
「………」
帯「……」
そういえば
全部同じ文字・・・
「全部帯人が書いたの!!!?」
その瞬間、
ばっ、と音がしそうな勢いで帯人が紙を奪った。
「何で全部帯人が!?」
帯「これは……あ…の」
えっと,とおどおどしている。
「帯人ー?」
どういう事!?と疑いの目。
帯「喜んで貰いたくて」
「だからって偽装しなくてもよかったでしょうがー!!!」
どかーんと怒りだした彼女。
帯「ぅわぁぁすいませんー」
マスターの為なら違反行為もなんでもしちゃう帯人でした。