彼の話を聞く
□勇気
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窓を開けると
小鳥がそこに
居座っていた。
マスターに見つかる前に
追い払おうと
手を伸ばすが。
傷は相当深いのだろう
ぐったりしたまま
動かない。
"早く,俺のマスターに
見つかる前に
どこか行ってよ"
小さな瞳とにらめっこ。
時々痛みでパタパタと
もがいた。
"もう,わかったってば"
両手でふわり包みこむと
部屋へはこんだ。
凄く嫌だけど、
"マスター,これ。"
「…?」
手のひらの命を
差し出した。
ふいと顔を背ける。
"でも一番は俺ですからね!"
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