彼の話を聞く
□月
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こんなに近い距離が
果てしなく遠い。
"今日もあなたは俺など忘れて
あいつと一緒に笑ってるんでしょ?"
真っ暗な部屋の中。
歯がゆくて、
自分自身に爪を立てた。
赤い身体。
それでも寂しさは癒えず
虚しさだけが一層増して。
単々と今を刻む時計の音。
あなたは命を持った人間で
俺はただの機械。
ふと、永遠という時間の中に置き去りにされたような感覚に陥る。
静寂に耳鳴りが重なり
頭痛がする
息が詰まって苦しい
グラスを窓に投げつけた。
飛び散る破片。
はあはあはあ…
荒い呼吸。
虚ろな目が
空に浮かんだ月を見上げる。
あの欠けた月のように
ひたすら時を待っていれば
丸くひとつになれる日が
来るのでしょうか____
" あなた が居なくて
寂しい -----。 "