彼の話を聞く
□ダイヤ。
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きらきら。
光るダイヤを眺める。
自分が透けて映って見える。
脆くてつるつる、
まん丸なダイヤ。
あなたがくれた、宝物。
大事に手の平で包む。
どこかへ転がっていってしまわないように。
あなたのように壊れないように。
ほんとうは
ダイヤじゃないことなんて
とっくに知っています。
あなたがいないことだって
とっくに知っています。
だけどあなたが
このビー玉をダイヤと呼んで
僕に渡した瞬間から、
僕には本物のダイヤ
なんです。
__「待ってて」
もういないはずの
あなたの言葉も…
、