短編 テイルズ
□本日も晴天
1ページ/1ページ
「リヒター、だい嫌い、です」
ノアルがそう呟いた瞬間、部屋の空気が一瞬で凍りついたのは、きっと隣にいるマルタも感じたことだろう。
というか、なんでノアルは急にそんなことを言ったのだろう。
いつもなら、拙いながらも場の空気を悪くするようなことを言う子じゃないのに。
「ど、ういう、意味だ」
あー。
リヒターさん明らかに動揺している。
分かりやすいというか、ノアルのことになると回りが見えなくなるからなぁあの人。
「今日、は、うそをつく日と、アンジュにききました。なので、うそを、つきました」
今日はエイプリルフール。
僕もマルタも言われて気づいたけど、リヒターさんは…
「…っ」
あ、顔が赤くなった。
やっぱり気づいたみたいだ。
どうしよう。
僕たちが出ていくべきなのかな。
「ノアル」
「はい」
「…行くぞ」
「はい」
なんだかあの二人、最近可愛いなあ。
死んでも言えないけど。
*本日も晴天なり*
「ノアル」
「はい?」
「俺も、貴様のことが大嫌いだ」
「…う。うそでも、いやですね」
「フン。分かったか」
「はい。ごめんなさい。大好きです」
「…っ、馬鹿が」
ーーーーーーーーーーーー
ナンダコレ(-""-;)