月は歪んだ

□33:月は歪んだ
1ページ/1ページ



「オラオラ!気合いが足りねぇぞ!」

「はいっ!」



「おい!右が隙だらけだ!」

「すみません!」



「型がなってない!崩れてる!」

「っ…!」




『う、わぁ…』


これか。
剣道部の皆さんが青ざめていたのは。

知らなかったな。
お兄ちゃんがこんなにスパルタだったなんて…




「そんなんじゃすぐ足元掬われるよ?」

「えっ…はい!気をつけます!」



「キミさぁ…ちょっと気が緩みすぎてるんじゃないの?」

「すみません沖田先輩!」



「ちょっと。そんな構えで…死にたいの?」

「うっ!」





『………』



なんで沖田さんはナチュラルに混じって教えてるの?

てかなに。精神攻撃か何かですか。これ。

運動部ってこんなもんなの?
死ぬ、って…あなたの時代じゃないんだから…



剣道場の隅っこで座っていると、麻紀がやってきた。


「ふー…つっかれたぁ…」


『おつかれ〜
練習厳しいんだね…』


「主にアンタのお兄さんがね。」


ははは、という渇いた笑いしか出てこない。


『あんなお兄ちゃん初めて見たよ。
結構強いんだね。びっくり。』


「はぁ!?なに言ってんの美憂!
アンタの兄さん、全国大会まで行ったのよ!?
相当強いんだから!」


『えっ…、』


















(確かに賞状とかトロフィーとかあったけど…)
(まさかそんなに強かったなんて…)
(だっていつものお兄ちゃんからそんな雰囲気ないし)





知らなくてごめんね?



to be continue...
次の章へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ