月は歪んだ

□30:月は歪んだ
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『どうしてこうなった』


「さぁ…なんでだろうね。」




〜透side〜




『なんで俺が沖田君を迎えに来てるんだ』


「それは美憂ちゃんが君にお願いしたからじゃないかな。」


『そうだ。美憂は学校で、俺は午後から部活で、沖田君にも剣道やってもらおうって…いやいや待て待て待て!
なんでそこで沖田君出てくんの?
いつから俺の友達ってことになったわけ?』


「なにブツブツ言ってんの。
ところで君のことは何て呼べばいいの。
透さんでいいの?」


『お、おう…』




そうだ。こいつと俺は今から友達。

美憂にも沖田君をしっかりフォローするように言われてるしな。

ボロが出ないようにしてやねぇとな。




『いいか。俺とお前は大学の友達。大学ってのは寺子屋みたいなもんだ。』


「美憂ちゃんは“高校”が寺子屋みたいなものだって言ってたんだけど、何が違うの。」


『主に年齢の差だな。
アイツラも高校でやることやったら大学に行って専門的なことを学ぶんだ。
もちろん強制ではないから行かなきゃいけねぇわけじゃない。』


「ふーん…」


『とにかく、わかんないことがあったら流せ。もしくは俺に振れ。
あ。そういえばお前、本当に“沖田総司”って名前なんだよな?』


「そうだけど?」


『だよな…じゃあ、君は今から“沖田総一郎”君だ。いいな?』


「は?唐突に何言ってんのさ。なに?総一郎って…」


『俺ら現代を生きる奴らは“新選組の沖田総司”を知っている。
いいか?俺らにとって“沖田総司”は過去の人間なんだ。
同じ名前の奴がいないとは限らねぇが、突っ込まれたらお前は不自然なく対処できるか?
そう考えたら、偽名を使っておいたほうが楽だと思うぜ。』


「ふーん…じゃあそうするよ。」




















(透さんって意外としっかりしてるよね)
(意外とってなんだ、意外とって)
(美憂ちゃんとよく似ているよ)
(まぁそりゃ…)





兄妹だからな?


to be continue...
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