月は歪んだ
□07:月は歪んだ
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『えっと…これをこうしてーー、できた!』
「ほんとにこれでいいの?」
『はい!よく似合ってますよ!』
沖田さんに兄の洋服を着せる。
どうも妙な感じがするようで、洋服の裾を引っ張ったりしている。
「そう?よかった。
でもなんか気持ち悪いなぁ…なんか肌にピッタリくっついててさ。」
『うーん…ちょっと我慢してください。
買い物から帰ったら脱いでいいですから。』
幸い今は初夏。
お祭りに向けて浴衣や甚平などが洋服店に揃う。
わざわざ着物店に行くのは面倒だし、とても何着も買えるような値段じゃない。
沖田さんには悪いが、安物で我慢してもらおう。
「買い物?何買いに行くの?」
『え?あぁ…沖田さんの服と夕飯です。
って―――あっ!!』
「ん??どうしたの?そんな大きな声出してさ。」
『……お昼御飯、食べるの忘れてました。』
(そんなこと忘れちゃうの?)
(…沖田さんが来て、それどころじゃなかったんですよ)
(もしかして美憂ちゃんて…馬鹿?)
(?!、沖田さん…それはいくらなんでも)
失礼すぎじゃないですか?
To be continued...