月は歪んだ

□06:月は歪んだ
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『うーん…?』

「どうかしたの?美憂ちゃん」

『沖田さんの服をどうしようかと思って。』

「なんで?」

『沖田さんが着ているような服って、今は皆着てないんですよ』

「へぇ…そっか、だから美憂ちゃんもそんな格好してるのか。
僕らにしたら、そんなに露出してたら襲って下さいって言ってるような服だし。
それが普通だったんだね。」


そうか、なるほど。
昔の人はこんなに足を出したりしないのか。


『あー…そうですよね、すみません。』

「なんで謝るの?別に謝らなくていいよ。
最初は驚いたけど、もう慣れたし。
で、何の話だっけ?」

『あ、えっと…この家には男物の服がないので沖田さんの着替えがないんです。
だから数着買いに行きたいんですけど…沖田さんのその格好では目立つので…』


ただでさえ美形なのに、そんな格好でうろついたら目立たないはずがない。


「別に服なんていらないよ?
ずっとこれ着てればいいし。」
『いやいや!衛生上よくないですって!
何か洗い替えがないと困ります。
……あ。そういえば…っ』


私は沖田さんをおいて部屋のタンスを開けた。
兄が泊まりに来たときの服があったような…?


『っ…あった!』

「何があったの?」


いつの間にか沖田さんは私の後ろに立っていた。


『兄の服です。
ちょっとこれ、着てもらえませんか?
兄も沖田さんと同じくらいの身長ですし、はいるんじゃないかなって。
私、部屋の外にいますから。』


用件だけ言って部屋の外に出た。
しばらく経った。
しかし部屋の中から何の音も聴こえない。

するとドアが開いた。

沖田さんは自分の服を着たままだった。



「ねぇ…これどうやって着るの?」













(着方が分からないんだよね)
(…そうでしたね)
(もうちょっと説明してくれないかな?)
(…すみません。てか、それならそうと)



早く言って下さいよ?



To be continued...
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