月は歪んだ

□04:月は歪んだ
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「……つまり、こういうこと?
ここは“平成”という時代で、僕のいたのは“江戸時代”という、今から二百年くらい前の時間ってこと…だよね?」

『そう…ですね。沖田さんが言ってることが全て真実なら、そうなります。』

「最初から真実しか言ってないって言ってるでしょ」


まぁそうだ。
でも、信じられないことばかりだから。


『すみません…でも、考えてみて下さい。貴方からすれば知らないものがたくさんあって、ここは未来だと言われれば信じられるかもしれませんけど、私からすれば貴方が過去から来たなんて信じられる証拠がないんですよ。
今は、大河ドラマ…あ、いえ、過去の話を演じる劇がやっているので、沖田さんの格好は奇妙に思いましたけど、劇に出るのかなって思っちゃったんです。
…まさか本当に過去から来たなんて思わなかったんですよ。』

「ふーん。まぁそうだよね。
僕だって信じられないもん。
時を越えることってよくあることなの?」

『いや絶対ないです、普通は。』

「じゃあ僕は普通じゃない体験をしちゃったわけだね。」


なんだか少し嬉しそうな、そして悲しそうな顔をした。















(あーあ、これでしばらく土方さんを弄れないや)
(土方さん?副長さんですよね?)
(そうだよ。あー、悲しいな)
(え、)



貴方の悲しみは何ですか?



To be continued...
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