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●監禁生活7日目●
今日もゆっくり寝ることができました。ありがとうございます、犯人と思われる男の人。今更だが、犯人と思われる男の人の名前は折原臨也さんというらしい。2日前にふと気になってきいてみたところ、意外にあっさりと答えてくれたのだ。
「そういえば言ってなかったよね、俺の名前は折原臨也。改めてこれからもよろしくね」
と言う感じに。というかこれからもってなんなんだ。これからもずっと私を監禁し続けるつもりなんだろうか。ああ、本当に折原さんは何がしたいのかわからない。
●監禁生活8日目●
「おはよう、…といってももうこんにちはなんだけどね」
目を開けると、折原さんは私のすぐ横で横になっていた。
「じゃあ、こんにちはですね」
「そうなるね」
「というか近いです。離れてください」
「やだ」
「離れてください」
「やーだ」
ああ、これは何を言ってももう無駄かなあ。諦めよう。私はここで監禁されてから諦めるということを学んだのだ。学習したことは生かす。そうやって学校や仕事で教わってきたのだから、そうせずにはいられないのかもしれない。
「…もう離れてって言わないの?」
「諦めたんです」
「諦めが早いね、まあいいけど」
私の頭を優しく撫で、折原さんはつまらなさそうに言った。
「さっきお寿司を買ってきたんだ。君も食べる?」
「…頂きます」
体を起こし、折原さんから寿司の入った容器を受け取る。…随分こってるんだなあこのお寿司屋さん。1つぱくりとお寿司を口に入れた。
「おいしい?」
「おいしいです」
「気に入ってもらえてよかった」
だって提供していただいているわけだし…気に入らないとか、駄目じゃないですか。あ、やばい。私だんだんこの監禁生活に慣れてしまってきているのかもしれない。
●監禁生活9日目●
「あの、折原さん」
「なに?」
「私、いつになったらここから出られるんでしょうか」
「さあ。どうだろう」
「いつになったらここから出られるんでしょうか」
「どうだろう」
「…」
「諦めた?」
「…さあ、どうでしょう」
「諦められるわけないよね。君はここから出たいはずだ。でも、俺は君をここから出すつもりは毛頭ないよ。どうやら俺は相当君を気に入ってしまったらしい」