4剣
□呪われた鏡
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「魂をとられる鏡?」
平和になったとはいえ、ハイラルは事件が絶えない。
ちょうど、もうすっかり顔の見飽きた盗賊たちを捕らえ、城兵に引き渡して来たリンクはその知らせにやれやれと肩を落とした。
父の代わりに王女に報告をしにきた、それがいけなかったようだ。
「何です?その顔は」
「いえいえ、何でもございませんよ゛王女様゛」
「そうですか」
『ハイラルの王女』兼『幼なじみ』の彼女、ゼルダは淡々と言った。
「それで今回も貴方に事件を解決して欲しいのです」
「ぅ…やっぱり…」
「リンク、貴方しか頼める人がいないのよ」
リンクは思う。
正確に言うと、頼める人ではなく、頼みやすい人。
つまりは一番パシリやすい。
(昔が懐かしいなぁ…涙)
「ねぇお願い」
ゼルダは上目遣いでリンクを見つめる。
彼女はそれにリンクが弱いことを承知済みだ。
(ダメだ、これは罠(?)なんだ、しっかり自分を保つんだ!!)
だが、数秒後には何故か頷く自分がいた。
「…わかったよ」
「ありがとう、リンク」
ゼルダは安堵の表情でほっと息を吐いた。
彼女のためならどんなことでもしてあげたくなる。
惚れた弱みというだ。
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