昏い銀花に染められて…
□the present 11.
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だが……どうして気になるのか。
何が気になるのか。
美奈子はそこに確信が持てなかった。
隣では、つまらなさそうに担任の話を聞いている夜天がいる。
チラっとその彼の横顔を見たが、その瞬間、鼓動が大きく跳ね上がったのを感じた。
整った顔立ち。
綺麗な銀髪。
全てが完璧とも言える彼のルックス。
憧れてしまう……。
やはり、最初にかぐやが言ったように、自分は夜天に恋してしまっているのだろうか。
それだったら、なんて悲しい恋なのだろう。
結果は見て分かる。
自分に幸せは来ない。
だから、一歩が踏み出せないのか……。
「ふぅ……」
今日、何度目か知らないため息を漏らす。
自分の気持ちに戸惑うばかりの美奈子であった。
⇒the present 12.