昏い銀花に染められて…

□The present 1.
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「あの輝きは……」

 セーラームーンたちが銀色の妖魔と戦っていたのと同時刻、同じ場所で、影に隠れる人物がいた。

 その人物は、セーラームーンが放った大きな輝きに驚いていた。

「セーラー戦士か……」

 そういえば、少し前に、地球が滅びそうなところまで直面していたことをその人物は思い出していた。

 しかも、瓦礫の山と化していたはずの街が気が付くと、元通りの住みよい街に戻っていたのだ。

 だが、あのセーラームーンとかいう戦士の放つ輝きがあれば――シルバームーン・クリスタルの力があればそれも容易いか……とその人物は思った。

「ねぇ……ガーネット……」

 その人物は自分の肩に乗る、紅色のネコを撫でながら、話し掛けた。

「私…もう、影にはいたくない……」

 その人物――漆黒の長い髪を流した昏い瞳をした少女は、今にも泣きそうな苦い表情を見せて、呟いた。





the present 2.
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