昏い銀花に染められて…
□Prologue
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宇宙に一際青く輝く美しい星があった。
それが地球。
その地球で、人々を騒がすアイドルグループがいた。
彼らの歌は自然と街々に流れている。
〜♪Search for Your LOVE 宇宙の水晶
Search for Your LOVE なかないでくれ
Search for Your LOVE
ほんとうは だきしめたいのさ♪〜
「ん?」
漆黒の長髪を肌寒い秋風になびかせて、一人の少女が町の中を歩いていた。
だが、誰かに呼ばれたような気がして、ふと足を止めた。
足を止めた場所は電気屋の前だった。
少女はディスプレイで展示されているテレビをガラス越しに見ていた。
黒髪の少女は黙ってじっと見ていた。
「どうしたの?」
「ううん。なんでもない」
肩に乗る、しっぽリボンを付けた紅色のネコに話し掛けられ、少女はテレビから視線を外して、また歩き始めた。
そのテレビではちょうど、今人気のアイドルグループが音楽番組に出演していたものの再放送がされていた。
そして、少女が見ていた時、銀髪の青年が画面上にアップで映し出されていた――…
〜♪こたえて Answer for me
いますぐ Answer for me
こたえて Answer for me
やさしく Answer for me♪〜
(アニメ挿入歌『流れ星へ』より)
⇒The present 1.