nomal

□懺
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ねぇ、
「好きだよ。」



今なら素直に言える。



君と出会った、数年前の

あの春の あたたかさ、


今でも覚えてる。





光ってる太陽が、笑ってた君の笑顔が



まぶしかった。




ねぇ、どうしよう、
いまさら気づいた。




俺が、君を愛していたと。
幼なじみだからって、手を繋いだわけじゃない。


幼なじみだからって、泣く君を抱きしめたわけじゃない。



君を




好きだったからだって、









、俺はいまさら気づいた。





愛してる。



…聴こえた?







返事がほしい。













でも、君はもう、返事をしない。
声はとどかなくて、

笑わなくて、

泣かなくて、





冷たい結晶みたい。

行かないで。




悲しみの言葉



怒りで掻き消されて




今俺は、



君を奪ったあいつの




断罪をする。





君はどう思うだろう…






ごめんね。





俺は…







結局、殺人鬼だ。





「さよなら」



つぶやくと、俺の手は返り血で染まる



今の言葉は消えるお前(貴様)に向けてない。




もう会えない彼女に向けた言葉だ。






 

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