おひとりさま

□第1歩
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「やーい!バケモノー!」
「あっち行けよ!ここは俺らの遊び場なんだぞ!」


2人の少年が1人の少女につっかかっている。少女は大体10歳位。巫女さんが着るような服を着ていた。


そして、淡いクリーム色の髪の毛は、少女の首の辺りで2つに縛られている。


だが、前髪は何故か少女の右目を隠していた。


『…公園は君たちだけのものじゃないでしょ?』


少女は呆れたように小さな声で反論する。
「もうこんな事は慣れている」という気持ちが見ているだけで伝わって来そうだ。


「はぁ?何言ったんだよ?聞こえないぞ!」


少女は少年の言葉に反論しない。


―こっちが『はぁ?』って言いたい位なんだけどね。
―こっちが叩いたら『ママー』とか言って逃げるくせに。


そして、少女は座っていたブランコから立ち、少年達にこう言った。


『…今は君たちみたいな子に構ってる時間は無いの。…どいてくれないかな?』

その言葉に少年達はどきかけたが、また少女の行く手をふさいでこう言った。


「だっ…誰がどくかよ!」

「やっちまおうぜ!」


2人の少年が少女に向かって来た。少女は溜め息をついて何か呪文のような言葉を呟き始めた。


『…やれやれ。…怪我しても知らないよ?』


そう言った少女の指から、淡い光が一瞬出た。


すると、『パシッ』という軽い音と共に、2人の少年が飛ばされた。

もちろん、距離的にはそんなに飛んではいないし、強く飛ばされた訳でもない。

だが、よほど怖かったのか少年達は2人共


『ママー!!』


と言って逃げてしまった。

2人の少年が逃げていったのを少女は見届けると、歩き始めた。



おひとりさま
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