記念書物
□七夕ってアレじゃね?ただのバカップルの祭りじゃね?誰が祝うかぁぁああ!!
2ページ/6ページ
金がなかった。
いつもこの時期はある理由でお金を貯めていたのだが、バイク事故やら定晴が腹下したとか、その他もろもろの不運が重なって現在万事屋はいつにも況して金欠状態。
そしてこんな時に万事屋の仕事は(まぁいつもだが)入って来ない。
困り果てた銀時達が頼ったのは歌舞伎町四天王の一人、かまっ子倶楽部のオーナーである『鬼神・マドマーゼル西郷』であった。
西郷に理由を話すと、
「ちょうど七夕フェアで人手が欲しいところなのよぉ、つーか採用しなけりゃカマじゃねぇ!!」
と、新八・銀時は店で働かせてもらう事になった。
余談だが、その時の西郷の顔は感動のあまり男泣き、否、オカマ泣きしたせいで化粧が崩れ自主規制並みの顔になって万事屋をビビらせたりした…。
さて、色々あったが銀時はパー子、新八は八恵になり、かまっ子倶楽部で仕事をしていた。
あがりは夜の9時、あと2時間というところで問題が発生した。
「ママァ〜団体さんが来たんだけどぉ、何かいきなり貸し切りにして欲しいんですって。」
「しかもすっごい良い男、帯刀してるからきっと幕臣が遊びに来たのよぉ〜。」
「なんですって!?」
そんな織姫、否、最早汚痢姫なモンスターAとBと西郷の不吉な話を聞いて、パー子と八恵は顔を見合わせる。
「うおぉぉい、悪いんだけどよぉ、貸し切りにしてくれねぇかぃ?」
『ぎ、銀さん、滅茶苦茶聞き覚えがあるんですけど』
『銀さんじゃねぇパー子だ!!気のせいだ、空耳だ、遂に眼鏡だけじゃなく耳まで悪くなったか新八。』
『新八じゃなくて今は八恵だし、眼鏡が悪いって何!?そうですよね気のせいで空耳で聞き間違えですよね!!』
「え〜、ここで飲むの〜、いつもみたいに『すまいる』で飲もうぜとっつぁん!!お妙さんに会いたい〜。」
「近藤さん、本音言ってるぜ。」
「たーまには『すまいる』以外でもいいだろぃ、文句言うんじゃねぇーよゴリラァ。」
「で〜もぉ〜。」
「そうですぜ近藤さん、たまには違う店で、特にこんなモンスターの舘で飲むのも乙なもん…」
「た、隊長そんなこと言っちゃあ駄目ですって!!ほら睨んでますからっ!!」
『八恵、ごめん幻聴が聞こえてきたから早退するわ。』
『安心して下さいパー子さん、僕も聞こえますから、幻聴。』
「それによぉ、将ちゃんが入りたいって言ってんだよ、諦めろゴリラァ。」
“将ちゃん”
不吉なキーワードが聞こえ、見たくないが2人揃って入口の方にぎこちなく首を動かすと、もっとも関わりたくない人物がいた。
「松平、もう入って良いか?」
「将ちゃん大丈夫ょぅ、待たせてゴメンねぇ〜。」
「うむ、では行こうか。」
普通の町人が着るような着物に身を包んでいるがそれは紛れもなく
『『しょ、将軍かよォォォオ!!』』