記念小説

□サプライズ☆バースデー
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〈清正の誕生日まであと4日〉

事情を説明し雑誌を借りようとしたら、ギン千代に必死に止められた宗茂。
せめて美味しくかつ綺麗に作れるように練習しろと言うギン千代の説得に、それもそうだと納得した宗茂はギン千代と一緒にケーキ作りを練習する事にした。

「ギン千代、コレは、どうやるんだ?」

「…………。」

さて、ケーキを作ろうかとした時、ギン千代はある重大かつ致命的な事実を思い出した。

立花宗茂は料理をした事がなかった。

小中学校の義務教育は勿論、高校にも一応家庭科の授業は存在するが、宗茂がまともに実技の授業をしたことはギン千代が記憶する限り一度も無いのである。

そう一度も無いのだ。

理由は家庭科の実習で組んだ女子達。

包丁を持てば指を切り、火を使えば火傷をし、物を持たせれば床に落とす宗茂。

女子達は、普段文武両道で爽やかイケメンである宗茂の苦手分野を見て、幻滅どころか母性本能と乙女心を擽られるらしい。
尚且つ宗茂に女子力アピールをする為に、同じ班になった女子が料理裁縫を宗茂の分までやってしまうのだ。

それが小学生から現在に至るまで続いのだ、イケメン恐るべしである。

そんな殆ど料理をした事が無い宗茂がケーキを作ってどうなるか、押して知るべし。

出来上がったのはケーキと形容してはならない黒い物体と、悲惨な台所であった。

 
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