仔猫の物語
□豊臣さん家の清にゃさ!!【あったかい手】
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【あったかい手】
『ふに゛ゃゃやや!!』
目を覚ましたらニンゲンがいて、ハラは痛くて、知らにゃい所で、俺は慌てた。
捕まった!?
逃げ場はにゃい。
カラダは思うように動かにゃい。
とことん最悪だ!!
フコウチュウのサイワイは、まだ生きていることぐらいで、これからどうなるか解らにゃい。
なんとか逃げにゃければ命はにゃい。
ニンゲンが大きな手を俺の方に伸ばしてきた。
嫌だ!!触るにゃ!!
俺はとっさにニンゲンの手を引っ掻いてやった。
ホンチョウシじゃにゃいからあんまり強く出来なかったが、ニンゲンは手を引いた。
イイキミだ。
ニンゲンは俺が引っ掻いた手をさすって俺を見つめていた。
困ったようにゃ、悲しそうにゃ笑顔だった。
「大丈夫だよ。此処には、お前を傷付けるものなんて、いないんだよ。」
ニンゲンはそう言って俺を抱き締めた。
笑顔に見とれて、ホウゼンとした俺は反応が遅れて、ニンゲンの腕のにゃかで暴れた。
咬み付いて、引っ掻いて、蹴っ飛ばして、傷の痛みも忘れて暴れた。