献上書庫

□【年上の恋人】
1ページ/5ページ


大人なのに子供のようで、少し頼りなくて、困った人で、でも、貴方は俺の大事な人だから。


【年上の恋人】


「あ、清正ぁ!!」

授業が終わり、帰り支度をしている時に友人の甲斐、くの、稲、ギンが俺のクラスにやって来た。

「ねぇねぇ、今日ケーキバイキングに行かない?」

「ほら、最近出来たケーキ屋さんあるでしょ?あそこ月一でケーキバイキングやるみたいでさ。」

「父上に券を貰いましたから一緒にいかがですか?」

とっても魅力的な誘いではあるが…。

「悪いな、先約があって行けないんだ。」

そう言って帰り支度を済ませ、鞄を持つ。

「え〜!!そんなん良いじゃ〜ん!!」

「くのちゃん。清正も用事があるのだし…。」

「でも、残念ね。」

「…大の甘党の貴様が優先する用事があるのか?」

ギン千代の言葉で周りが止まった。

「…それもそうよね。」

くの、納得するな。

「そう言えば、前に用事があった時、三成殿と正則殿の制止も聞かずに和菓子屋さんに行きましたよね?」

稲、変なこと覚えてるんじゃない。

「アヤシイわね…。」

甲斐、そんな目で見るな!!

「で、用事とは何だ?」

ギン、何で楽しそうなんだ!?

4人に詰め寄られ内心冷や汗をかく。

「…おねね様からの用事でな。」

「あー、成る程。」

「それはしょうがないわ。」

「残念ですね。」

くのと甲斐は納得し、稲は残念そうな顔をする。
すまん。だが、嘘をついている訳じゃないから許してくれ。

「…まぁ、そうゆう事にしてやろう。」

少し意地悪そうな笑顔でポソリとギンが小声で言った。

ギン、何でこんな時だけ良い笑顔なんだ!!


 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ