記念小説

□永遠の贈り物
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隣で眠る銀の髪をソッと撫でる。
艶やかに乱れていたのが嘘のように、幼児のように安らかに眠っている。

 

「…我が儘ぐらい、言いやがれ。」

昨日、色々と無茶をして何とか日付が変わる前に帰って来れた。
柄にもなく焦っていたのだろう。
ドジして電車に傘を忘れ、買うのも億劫でそのまま雨の中、濡れてアイツを探しあるいた。
不思議とアイツが家に帰ったという考えはなかった。
まだその辺にいるような気がして夜の町を歩いて探した。
漸く見付けて声を掛け、振り返ったアイツの面。

少し泣きそうな、ヒデェ面してやがった。
 
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