旅立ち前の一騒動
シェルト旅立ちの時
それぞれに準備を整え、メルト達に別れを告げている最中にソレは起きた
「ぁ、あの…、マクモさん…」
「ん?」
何の前触れもなく聞こえる、弱々しくも艶を含んだフェイの震えた声
名前を呼ばれたマクモだけではなく、エニメニ達も何事かと振り向いた
「ぁ…放してくださいっ…!」
「くらぁ!!お前また勝手に!!」
「ちょっ…なにしてるのよ!マクモ!!」
そこには、スカートの裾を引っ張るSPスリーブに抵抗するフェイと、それを止めさせようとするマクモの姿
膝上まで晒された陽の光を知らないような白くしなやかな足
突然の事だったらしく、フェイの肌はどんどん朱に染まっていった
「放せって!エニメニも手伝ってくれ!」
「いいけど、破けても大丈夫よね!」
「や…それは、ちょっと」
「あ、あのっ…あまり引っ張らないで下さっ…!ひゃっ…!??」
シュルリと、マクモの背で揺れていたスリーブの片割れがフェイの身体に巻き付いた
上半身を絡め捕らたフェイはバランスを崩し、追い打ちを掛けるかのように、スカートを引っ張っていた方も足に巻き付く
「うわぁっ!!?」
「っあ!マクモさん、すみませんっ!」
そのままスリーブに抱き寄せられるようにピタリと密着したフェイとマクモ
「っお前いい加減に!!」
「んゃ!あ……やっ…」
「っ〜〜〜!!?ごめん、フェイ!!」
互いの息遣いどころか鼓動まで聴こえてきそうな距離、力任せに解こうとしても互いを意識してしまい、2人して真っ赤になって動くに動けなくなってしまった
「ん…っ!ふっ、はぁ…あ…」
身体を撫でるように動くスリーブとうなじに掛かるマクモの吐息、くすぐったさに耐えきれずフェイは悩ましげな声を洩らす
「…だ、大丈夫か?フェイ…ぇと、すぐに何とかするからなっ!!」
「っあ…!マクモさっ…動いちゃ…!」
マクモが動く度に、フェイの身体が小さく反応を示す
「エニメニ!何とかしてくれっ!!」
「何とかって…そんな事言われても!?」
「んんっ…!エニメニさぁん…っ!」
エニメニも巻き込み、騒ぐ3人を見つめ
「…大丈夫かね」
拭いきれない不安を抱くメルトだった
(あ、あの…マクモさん、な…何か当たってます…っ!!)
(マクモ!!?なにしてるのよっ!!)
(ぅえ!!?ごっ、ごめん!!)
2011/01/20
てか、止めるの手伝おうよメルトさん。