蝶の軌跡を彩る鱗粉

□歌声に乗せた
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城に戻るアースを引き止めるフェイ

「アースさん…!」

「なんだ、フェ…っ!?」

視界に広がる柔らかな黄緑

ちゅっ、っと軽い音を立てぶつかる唇

「なっ…!!」

「〜〜っ!!?」

口元に手をあて驚きを隠せない二人、特にフェイが

「なんで、フェイの方が驚いてるんだ」

「えっ…あの、ほ…頬に…する、つもり、で…っ!」

顔を赤く染め、途切れ途切れに言葉を紡いでいく

「なんだ、勢い余って口に「っ…!!?」

精一杯背伸びをしてアースの口を塞ぐ

「っぷは!フェイ、苦しい」

「あ、すみませんっ!」

手を退け、恥ずかしさのあまり潤む紫紺の瞳を見つめ

「普段も口にしていいんだぞ?」

さらりと告げる

「っ〜〜!?も、もうっ…仕事に戻ってくださいっ!!」

途端にこれ以上ないくらい真っ赤に染まり
細い腕で力一杯アースの背を押し、城に戻そうとする

「なんだ…?急に」

「もう、アースさんなんて知りません!真面目に仕事してきて下さい!!」





20090911

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