短編&中編

□無知は時に残酷で
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男が部屋を出て行ったのを確認してから、少女はため息をつく。



ハヤクココカラヌケダシタイ。


ダケド、ドコヘ?


アタシニハ、ニゲバガナイ。


アノオトコニウバワレタ。


ナニモカモ。



少女の頭の中は、複雑だった。

なぜ、ここにいなければいけないのか。

なぜ、家族は滅ぼされたのか。

先ほどの男への憎しみと恨みがこみ上げてくる。





しかし、少女の生活はなに不自由なかった。


食事も部屋も洋服も何もかも与えられた。


その部屋から出るということ以外の自由はあった。





なぜ生かされてるのか






彼女が真実を知り、笑顔を取り戻すのは、まだ先の話。






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