12/27の日記

19:28
傾物語感想
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あまり、感想を言葉に纏めるのが巧くないので
何度も本を閉じてはベッドの上をごろごろしてしまった、
忍野からの手紙部分についてだけ触れようと思います
えっと、まずは、手紙という媒体のせいでもあり忍野自身も言っていたように
博引旁証や雑談がないせいでもあると思うのですが
文章が簡潔で、言葉少なに語っていて(読み返したらそうでもなかったけれど)、
いやに素直で、案外真面目な顔して文面考えたりしていたのかなと
何回も頭の中で推敲をして、多分その時は凄く真剣に。(個人的にはペン回しをしているイメージなのですが)
いざペンを走らせるとなったら一度も淀まず、まるで阿良々木くんに話しかけているみたいに
にやにやと人の悪い笑みで、一息に語り尽くしてしまう。
勝手な妄想なのですが、忍野の字ってあまりペンを紙から離さないで書くような
字の気がしてしまうんですよね
達筆な、習字のような文字。
留め跳ねのあいまいな、字と字が繋がってしまっているよな
やっぱり、どこをとっても申し分なく大人なのが忍野メメという人だと思うので。
それから、「友人」。
最後のきみの親愛なる友人、や友人を失ってしまったのは悲しい、という発言。
本当に、ルートXにおいては忍野も阿良々木くんも互いを友人と見ていたのだろうと思います
最後のは少し茶化した言いようではあると思うのですけれど、
最後まで忍を呼べなかった、実直で真面目な、ほんの少し寂しい阿良々木くんは、
実に賢く、そして正しく忍野と距離を取っていたように思います
忍野も、阿良々木くんの事を、年の離れた友人として見て、接していたのだろうと思います
厚かましいと、釣り合わないと己自身を嘲笑しつつも、
阿良々木くんは忍野を友人にカテゴライズし、忍野もそれに甘んじる
正しすぎる程に真っ当な関係でしょう
多分、本当に私の完全なる妄想ですけれど、
ルートAの忍野なら、(ルートAの忍野は手紙なんて決して残しませんが)友人なんて言葉ではなくて、
「彼」とか「あの優しい子供」とか、少し突き放した表し方をするのだと思います
限りなく正解に近くて、だけど正しさ故に誤ってしまった阿良々木くんだからこそ、
忍野は甘やかすのだろうと。
最後に、少し別の話題。
ルートXのブラック羽川と力を取り戻してしまったキスショットは、
束の間、笑い合ったのじゃないかな。
ブラック羽川は、機微なんて解さないから忍を呼ばなかった阿良々木くんを
バカな子供だと思っただろうし、
キスショットも、呼んでくれなかった阿良々木くんをバカだと詰ったと思います。
だから、ブラック羽川もキスショットも一瞬だけ全部捨てて、
ただ阿良々木くんに呆れ果てている者として笑い合ったのではないかな、と。

「我が主さまは」
「この間抜けにゃ餓鬼は」
「途轍もない阿呆者じゃ」
「にゃんてバカにゃんだろう」

そんなイメージ。
本当に一瞬。風の吹く間くらいの間、そこには多分優しさがあふれていたと思います
キスショットの絶望も、ブラック羽川の憎悪も欠片もなかったと思います
キスショットは優しく阿良々木くんを抱いて(もしかすると、食べてしまったかも知れないけれど)
ブラック羽川もそれを何をいうでもなく眺めて、みたいな。
完全に脳内ヴィジョンですが。

ここまでお付き合い下さった方、ありがとうございました

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