小説
□待て、しかして希望せよ
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あれ?
俺保健室のベッドで寝てたよな?
なんで入口に居んだよ?
先生は?
さっきまでいたのに。
「………っ」
誰だ?
ベッドの方に人がいるみたいだ。
カーテンが閉めてあってここからじゃ誰かわからないや。
一歩ずつ近づく。
微かに聞こえた声、
泣き声だった。
カーテンに手を伸ばし、二人を隔てる壁を取り払った。
「うぅ…」
銀糸の髪に白い肌。
先生だった。
何も着ておらず、布団にくるまっていた。こちらを見向きもしなかった。
「先生、何してんだ?とりあえず服着ろよ」
首を力無く左右に振り、ボソッと囁いた。
「…服も白衣も破かれてないよ」
先生の身に何が起きたんだ?
動揺している俺に今まで聞いたことのない、冷たい声音で話した。
「どうして動揺しているの、藤くん?君がやったんだよ。
見て、僕の身体を見て?君の罪の証が確かにあるんだから」
そう言って、布団から白くしなやかな身体を晒した。
見せ付けるように。
先生の身体を恐る恐る見た時、
目の前が真っ暗になった。
認めたくなかった。