10/07の日記

17:51
炎ツナ
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体育(補習)がありました。







「やっと跳び箱飛べたよー。帰れてよかったね、エンマ君」
「うん…一生帰れないかと思った」

窓の外は、もう薄っすらと夜の気配がする。
教室の中には、炎真と綱吉の二人だけ。
未だ体操着姿の二人は自分の席に腰を下ろし、同時にふうっと軽いため息を吐いた。

体育の授業で跳び箱を飛ぶことの出来なかった運動音痴な二人組みは、課題である跳び箱が飛べるまで居残りという補習授業にさっきまで挑戦していたのだ。
最初は本当に帰れないんじゃないかと絶望すら感じていたが、教師の必死のアドバイスと何度も繰り返している内に、その経験がものを言ったらしい。
開始して一時間が過ぎた頃、二人は無事に課題をクリアすることに成功したのだった。

「オレもうすっげー疲れたー!汗もいっぱいかいたしベトベト。早く着替えて帰ろ?」
「うん」

今は所謂残暑の季節。教室はまだ蒸し暑い。
綱吉が立ち上がって、熱さにぐったりと項垂れてみせる。
真っ白な体操着の裾を掴んで、体内に風を送り込むようにヒラヒラと扇ぎながら。
目の前でまだ座っていた炎真の視界に入ってくるのは、綱吉の柔らかそうな腹とチラチラと見えるへそ。そしてそこを流れる光る汗。
気のせいではなく、炎真の喉が強くゴクリと鳴った。

「ツナ君」
「えっ?」

気が付けば、さっきまでそこに座っていた炎真が目の前まで迫って、手をぎゅっと強く握られていた。
いきなりの展開に、綱吉の口から抜けた声が出る。

「どうしよう」
「ちょっ!な、なに、エンマっ!?」

思わず、呼び捨てになってしまう。
けれど手を握る炎真の力は更に強くなって、酷く切羽詰まった表情。
全てがいきなりすぎて、全く意味がわからない。

「たっちゃった」
「えっ!?」

何が?なんて聞く必要もない。
綱吉はさぁっと自分の顔色が青褪めていく音を聞いた。
ゴリゴリと押し当てられている。
間違うわけもない。熱くて硬いあれを、腰の辺りに。

「ちょっ、いやっ、え?なななな何でっ!?」
「ごめん…急に、ツナ君がえっちに思えて…」
「はああっ!?だ、だから何でっ!?」

炎真の欲情のスイッチがさっぱりわからない。
けれど、そんな泣きそうな表情と涙に濡れた瞳で見つめられたら、拒絶することなんて出来ない。
というか、スリスリとその熱いものを擦り続けられ、綱吉の体温はどんどんと上がっていってしまう。

「ツナ君は気付いてなかったかもしれないけど…」
「ひっ!?」

思わず甲高い声。
綱吉が慌てて口を塞いだが、声は収まりそうもない。
炎真がいきなり、綱吉の胸元をすりすりと指で擦り始めたからだ。
的確に敏感な胸の突起の場所を探ってくる炎真の指のせいで、綱吉のそれはすぐにぷくりと膨れてその存在を主張してしまう。

「たまに見えてた。ツナ君のコレ」
「ふ…っ!」

綱吉の視界に映るのは、体操着の上からでもわかるほどに勃起した二つの突起。
そんなこと、本当に気付いていなかった。というか今まで気にしたことなんてないし、誰かに気にされていると思ったこともない。
けれど炎真には、それに気付かれ見られていた。
その事実に、今ひどく恥ずかしさを感じてしまう。耳まで熱くなる感覚。

「その度にハラハラして、ドキドキしてた」
「なんでっ、あ、やっ!エンマくっ、ふ」

炎真の唇が欲情にニヤリと歪んで、指は体操着の上からきゅうっと綱吉の乳首を摘み上げる。
そのまま指を揺らしてコリコリと乳首を擦ると、綱吉はそれだけでもう上手く喋れなくなる。

「だってツナ君、ここ触られるとすぐにやらしくなっちゃうから」
「んなことっ、ふっ、うっ、やっ、それやぁっ!えんまっ!」
「ほら。すっごいやらしい、ツナ君。ここコリコリされるのきもちいい?」
「や…っ!」

耳元で囁いて、今度は硬い乳首を押しつぶすようにクニクニといじめる。
そして再びきゅうっと摘み上げ、摘んだままクリクリと執拗にひねり回してやった。
そうすれば炎真の言葉通り、言葉では否定しても綱吉の瞳は熱く濡れて呼吸が荒くなっていく。
でもそれは、炎真も同じことで。

「はっ…ツナ君、キスしていい?したい…」
「う、ん…いい、よ…っ」
「んっ」

綱吉の乳首にカリカリと軽く爪を立てながら、炎真は我慢仕切れずに綱吉に唇を押し付けた。
最初は触れるだけ。
でももちろんそんなキスじゃ足りなくて、二人はすぐに熱い舌を絡めて舐め合った。
まだ上手く出来ないキスで、唾液がこぼれる。
でもそれさえも舌で拭って、二人はまだ未熟な大人のキスを続けた。
甘い香りと甘い味がする気がする。止められなかった。

「は…エン、マ…っ」
「っ!?」

長いキスですっかり蕩けていた炎真の真紅の瞳が、見開かれる。
宙で揺れていた綱吉の指が、急に炎真の胸元に触れてきたからだ。
そしてその指は、炎真の指と同じように突起をすぐに探り当ててる。

「んっ、ツナく…っ!」
「エンマ君も、ここ、好き?」
「はっ、あ…」

綱吉の指に、きゅっきゅと柔く乳首を摘まれる。
背筋がぞくぞくして、でも綱吉の優しい触れ方に物足りなさも覚えて腰が震える。
もっとして欲しくて、でも言えなくて、炎真はねだる瞳で綱吉を見つめて唇を重ねた。

「エンマ君のが、やらしい」
「ん、あっ!」

そう言いながらぎゅっと強く乳首を摘まれると、声が我慢出来ない。
抜けそうになる腰を堪えて、その言葉に反論するように綱吉の乳首を摘み返す。

「ん…っ!」
「あ、はっ…ね、ツナ君きもちい…?僕も、気持ちいいよ」
「う、んっ」

胸をこうして触りあっているだけなのに、男だというのに、気持ちよくてたまらなかった。体中に強い電流が流れて、今このことしか考えられない。炎真の言葉に、綱吉は必死に小さく首を縦に振り続けた。
そのまま、二人は互いの胸をいじめ合った。
重なる、濡れた唇と瞳。
熱い息を交換しあって、体温は留まる事を知らずに上がっていく。

「ツナくん」
「あっ、」

キスしながら腰に押し付けられたのは、さっきよりも熱くて硬くなっている炎真のもの。
何かを求めるようにそれをごりごりと擦り付けられて、綱吉の鼓動が早くなる。
そして、同じように昂ぶる何か。

「エンマ、っ」

綱吉の呼吸が大きく乱れた。
炎真がいきなりハーフパンツをずりさげ、自分の昂ぶりを外へ解放していた。
想像通りに昂ぶっている炎真のそれから、綱吉は目が離せない。ごくん、と喉が大きく鳴った。

「ツナ君のも、見せて」
「う…」

恥ずかしい。だけどもう下着の中は窮屈で、それ以上にこれからの快感を思うと羞恥より手が動いてしまう。
赤くなった顔を俯かせたまま、綱吉は己の昂ぶりをそろそろと取り出した。
既に先走りで濡れているまだ幼い茎。今度は炎真の喉がごくん、と大きく音を立てる。

「ツナ君のも、さっきぽ濡れてるね」
「い、言わないでよそういうことっ!」
「なんで?僕嬉しいよ、ツナ君が僕と同じ位気持ちよくなってくれて」
「だから…っ」
「でももっと気持ちよくなりたい。ツナ君も、同じだよね?」
「う…!」

ちっとも反論できやしない。逆らえやしない。いつもこうだ。炎真に流されてしまう。
それどころか、手を握られて微笑まれると羞恥すら完璧に解けてしまいそうになる。

「一緒に、気持ちよくなろ?」
「あ…っ」

熱く敏感な先端を重ねるように一緒に握りこまれて、炎真の手のひらで軽く扱かれる。
それだけで強い快感が全身に走って、膝から崩れ落ちてしまいそうだった。
目の前の炎真も快感に震えていて。熱い息が頬にかかる。
綱吉は炎真の腰に腕を回してぎゅっと強く抱きついた。
近づく唇に、自然とまた唇を重ねながら。

「はあ、あっ!」
「う…あ…っ」

先端は更に濡れて、擦り合うたびにくちゅくちゅといやらしい音がする。
けれど今となってはそれすらも扇情的で、ひどく興奮した。
今度は垂れる唾液を拭うことも忘れて、むちゃくちゃで激しいキスをしながら二人ははしたなく腰を振った。

「ツナくっ、あ、きもち、いよっ、はっ」
「うん、あ…オレも、きもち、くてっ、も…っ」

いつの間にか、綱吉の手もその場所にあって。
二人は互いの手を重ねあって昂ぶりを擦り合っていた。
もう片方の腕で互いを強く抱きしめながら。

「あ…も、だめっ!エンマ、くっ!」
「僕も、も…ぅっ」

擦りあっているだけだというのに、二人の限界はいつもより早かった。
唇を重ねてビクビクと体を震わせながら、二人は互いの手を白く染めた。


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「うあああああー!もうっ!なんでこんなことになったんだよー!外真っ暗だし!怒られちゃうよ!」
「僕はよかった。ツナ君といっぱい一緒にいれたし」
「も、もうっ!エンマ君はすぐにそういうこと言わないでよ!少しは反省…」
「だって本当のことだし…ツナ君は?」
「うっ」

またこれだ。
どうしても炎真には反論出来ない。出来なくなってしまう。
綱吉は大きくため息を吐いてから投げやりに叫んだ。

「オレだってよかったよ!嬉しかった!もーーっ!」

赤い顔をして膨れる綱吉を見つめて、炎真の瞳が輝きだす。
けれど一転、ハッとした表情。

「ツナ君、どうしよう」

綱吉は感じていた。激しいデジャブを。しかもかなり嫌な感じの。
しかしまた一転、満面の笑みで炎真は言い放った。


「また、たっちゃった」


炎真に反論出来ない!
という綱吉の悩みが一瞬にして解消されたのは言うまでもない。



コレおちてないよねEND

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