05/13の日記

22:03
ハルヒパロ
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今更のハルヒパロ。
ハルヒ白蘭さんに古泉骸さんにキョンツナちゃん。
骸ツナ白ツナで主に骸ツナ






「僕たちが何とかしなければ、確実に世界は崩壊するのです。クフフ、困ったものです」


変な髪形に変な笑い方をする男は、オレにいきなり変なことを言った。



【白蘭による六道骸の憂鬱】



「…は?骸。お前の下らない冗談に付き合ってる暇はないんだよ。っていうか顔近い!」
「おやおや、つれませんねぇ沢田綱吉。僕はなかなか真面目な話をしているんですよ?」

プリントをコピーしながら、綱吉はやたらと顔を近付けて話かけてくる骸の胸を強く押した。
綱吉のあからさまに嫌そうな表情に、骸が喉の奥でくつくつと笑う。

「世界崩壊?それのどこが真面目な話なんだよ。そんなことより、ほらさっさと白蘭に頼まれたもの持っていかないと。アイツうるさいから」
 
骸と綱吉は、白蘭の作った「S(世界を)O(大いに盛り上げるための)B(びゃくらんの)団」という愛好会の部員である。
綱吉はクラスメイトの白蘭に無理やり入れられた訳だが、この骸が、何故相性の悪そうな白蘭の作った愛好会なんかに入ってるのかは定かではない。
2人は部長である白蘭の命により、現在SOB団の入団案内のプリントを大量コピーしているところだった。

「だから、顔近づけんなって気持ち悪い!ホントにお前なんなんだよ!」

白蘭も相当イかれた奴だと思っているが、この骸も中々の玉である。
とにかく、このすぐに顔を近づけてくる癖をどうにかして欲しい。癖なのか嫌がらせなのか知らないけれど。
ちょっと爽やかな匂いのする骸の吐息が腹立たしくて寒気がする。
ぐいぐいと退かすように骸の胸を押すと骸がいつも楽しげに微笑むことも、綱吉を実に不快にさせた。

「何って、クフフ。お察しの通り、術士です。そう呼んだ方がいいでしょう」
(コイツ本当に頭おかしい!!)

どう考えても、バカにされている。
もうこんな奴無視して帰ろうと、コピーしたプリントを鷲掴んで骸に背を向けた瞬間。

「っ!?」

腕を掴まれて、グイ、と強く引かれた。
綱吉の体勢が崩れて、プリントがバサバサと宙を舞う。
地面にぶつかると思った体は、温かで柔らかなものに包まれていた。
またあの、爽やかな匂いがする。鮮やかなオッドアイに、見つめられている。
ここは、骸の腕の中だ。

「な…あっ、むく、ろ…?」

急なことに、頭が追いつかず体が動かない。
骸はいつものように至近距離で綱吉を見つめたまま、穏やかに微笑んだ。
そのまま骸の指にそっと頬を撫でられて、感じるのは、唇が近付く気配。
やっぱり、綱吉の体は動かなかった。
全てがスローモーションになって、2人の唇が重なる、その瞬間。

ガシャン!!

「わっ!?」

激しい破壊音に、2人の唇は動きを止めた。
ハっと我を取り戻した綱吉が、真っ赤な顔をして慌てて骸の腕から飛び出す。
床に広がっているのは、割れたガラスの破片。
さっきの破壊音は、近くのガラスが割れた音だったようだ。

「な、なんでガラスが…って、大丈夫か骸?!」

原因不明のガラス破損に呆然としていた綱吉が、今度は骸を見て顔を青くする。
骸の頬に一本、赤い曲線。
さっきのガラスで傷ついてしまったらしい。
骸はすぐに頬の傷痕を手の甲で拭って、何事もなかったかのように綱吉へ微笑んだ。

「クフフ、これでわかりましたか?」
「え?」
「世界崩壊の話です」
「はあああっ!?お前、まだそんなくだらないこと…
「綱吉クンっ!!」

今度は、いきなり自分を大声で呼ぶ聞きなれた声に綱吉が目を丸める。
どこから走ってきたのか、真っ赤な顔をしてはぁはぁと息を荒げるている白蘭がそこにいた。
紫色の瞳が、恨めしそうにこちらを睨んでいる。

「白蘭!」
「もう、遅いと思ったら2人で何してるのさ!早くコピーしたやつ持ってきてよ!」
「今持ってこうとしてたんだよ。いや!今はそれよりも骸が!」
「骸君がどうしたの?」
「いきなりガラスが割れて、ほっぺた怪我しちゃったんだよ」

クフフ。といつものように微笑んでいる骸をチラリと見て、白蘭が溜息を吐く。
綱吉が慌てるほど、大した傷じゃないじゃないか。

「日ごろの行いが悪いからだよっ!」

とにかく早く持ってきてね!遅刻したらオシオキ!と念を押し、白蘭はズカズカと大股で部室へ戻っていった。
そんな白蘭の後姿を呆れた様子で見つめている綱吉を、再び骸の声が呼ぶ。

「それで、どうして窓が割れたと思いますか」

骸の意味不明な問いに、綱吉は首を傾げることしか出来ない。

「は?いきなりなんだよ。だからそれは、何か事故っていうか…」
「違います。白蘭が望んだからです」
「は?」

続く意味不明な言葉に、綱吉はただぽかんと口を開いて骸を見つめた。

「白蘭が無意識に、僕と君を引き離したいと、キスなんてさせたくないと願ったから。ガラスが割れたんですよ」
「な、何言ってんだよ!こんな時に冗談やめろよ!」
「彼には、願望を実現する能力がある」

本当に、コイツは次々と何を言い出すんだろう。
綱吉にとっては、恐怖さえ覚えるほどの破天荒ぶりだ。
彼というのは、もちろん、白蘭のことなんだろうか。

「本人が、まだその能力に気付いていないのことが救いですね」
「おい、骸」
「彼は、この世界を自分にとって面白くないものだと思い込んでいる。これはちょっとした恐怖ですよ」
「だから、何言って!」

お前バカかと笑い飛ばしてやろうとしたのに、また腕を強く掴まれて。
綱吉が硬直する。
そんな綱吉に口端だけで笑って、骸がいつものように顔を寄せた。あの匂い。
さっきのことが蘇ってきて、綱吉の顔が耳まで真っ赤に燃え上がる。

「まだわかりませんか?僕のような術士や、ディーノ、古里炎真のような存在が都合よく一同に会するかのように登場した理由が」
「そんなのっ」
「それなら手っ取り早く、もう一度キスしてさしあげましょう。沢田綱吉」
「バ…っ、やめ、むく…っ」

バリンッ!!

そしてそれはまた、骸と綱吉が唇を重ねようとした瞬間。
さっき割れたガラスの隣のガラスが、激しい破壊音と共に粉々に砕け散って床に散らばった。

「な…っ?」
「どうです。これでわかりました?白蘭はこうして無意識に世界に介入して、願望を叶えてしまうんですよ」
「がん、ぼう?」

綱吉から顔を離して、血の滴る指をペロリと舐めて骸が微笑んだ。
瞳を見開き、ぶるぶると指を震わせ始めた綱吉を見つめながら。

「沢田綱吉に、自分以外誰も触れて欲しくないという願望です」

綱吉の瞳が、信じられないものを見る目に変わる。
今更そんな顔をするのかと、骸はおかしそうに笑った。

「まぁ、僕達が白蘭の近くにいる理由はまた別の願望のせいですが。困ったことに、白蘭は非常に貪欲なんですよ」

困ったものです。と肩を竦めて微笑んで、拾い集めたプリントを綱吉へ差し出す。
綱吉は、まだ呆然としたままだ。

「つまり、白蘭が誰も君に触れて欲しくないと思っている限り、僕はこれ以上君に触れることが出来ない」

こうして顔を近づけることが、僕の限界なんです。
いつもの距離でそう囁いて、骸はそっと綱吉から離れて背を向けた。


「クフフ。本当に困ったものです」


言葉通り、本当に困った微笑みで。
骸は一人歩き出した。


おわり








因みにみくるちゃんがディーノさんで長門さんが炎真君です。

炎真君「僕の仕事は、白蘭を観察して入手した情報を統合思念体(たぶんDさん)に報告すること」

ディーノさん「信じてもらえねーかもしれねぇけど、オレはこの時代の人間じゃない。もっと未来から来たんだ」

これみくるちゃんは10年後ランボさんとか未来編キャラだともっとしっくり来るんですけどね。でも白馬炎無理やり推すよ!炎真君は合ってると思います。
綱吉さんを助けるために来る10年後ディーノさんふううう!綱吉さん好きになって白蘭さんを消失させちゃう炎真君ふううう!

ハルヒさんは面白いです。

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